本研究の目的は、世界的にみてユニークな経緯を辿り、先行研究が説明できていない東アジア地域(ASEAN+日中韓豪印NZ)の経済協力の諸条件を明らかにすることである。そのために、1970年代・80年代に当該地域の経済統合が進まなかった理由を歴史的に明らかにし、さらにそれら要因を数量化することによって、現代の地域経済協力の計量分析を行った。東アジア地域協力が進まない理由として、当該地域の輸出産業構造は大きく乖離していることが、歴史分析および計量分析によって明らかになった。さらには、貿易量が多いほど自由貿易協定を結び難いという世界的な傾向に反する結果も明らかになった。
|