研究課題/領域番号 |
25780112
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
崔 慶原 九州大学, アジア太平洋未来研究センター, 准教授 (00637382)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 日米韓トライアングル / 緊張緩和への要請 / 安全保障上の要請 |
研究概要 |
(1)初年度の作業として先行研究の検討を行い、研究課題に対する問題意識を固めた。1970年代初頭の米中接近後、日米韓の三国が緊張緩和への要請と安全保障上の要請という異なる政治外交的要請を両立・均衡させながら新しい国際秩序における関係調整を行った点に注目した。既存の研究が、協力か、対立かという二分法的な分析に留まっていることに対して問題提起を行い、複雑な利害関係がどのように調整され、新たな関係調整に至ったのかに分析の焦点を当てた。(2)9月には「新しい大国関係と東アジア国際秩序」を題した国際シンポジウム(中国社会科学院主催)に参加し、米中関係を中心に変動している東アジアの秩序が朝鮮半島に与えた影響について討論を行った。また、中国の朝鮮半島専門家と東アジアの秩序変動と朝鮮半島に関する意見交換を行い、中国の目から見た東アジアの秩序と日米韓の政策調整について意義深い示唆を得た。(3)11月には冷戦史研究で知られている米国ワシントン所在のWilson centerで、New Evidence and New Research on Japan’s Relations with North Koreaというワークショップに参加し、「Japan and Korean Peninsula in the 1970s-using Japanese archives on Korean Peninsula research」を題して研究報告を行った。また、同センターが保有している朝鮮半島関連の東ヨーロッパ資料を収集できるとともに、今後の研究協力についても協議した。(4)日米韓三国の資料を駆使し、1971-73年の間の関係構築に関する論文を執筆した。在韓米軍削減後、日韓で防衛産業育成をめぐる論議がどのように展開されたのか、その結果が日韓安全保障関係にどのような影響を与えたのかを論じ、日米韓三国のダイナミックな安保関係の展開を浮かび上がらせた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に当たる25年度には、先行研究の検討を通して問題意識を明確にし、中国や米国、韓国で必要な資料を収集することに重点を置いた。研究報告と論文執筆を通して、収集した資料を検証し、関連研究者の助言を受けながら、問題意識を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
設定した問題意識を解明するために、資料調査及び分析を進める。日米韓の政策調整過程を一次史料に基づいて解明し、政策調整のメカニズムを説明することに重点を置く。研究成果は研究会及び学会で報告し、書籍の刊行を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
書籍購入のために支出を計画していたが、該当書籍が絶版されたため、購入できなかった。 購入できなかった書籍は古本屋などで探し、購入するつもりである。資料的に価値のある書籍なので購入を進めたい。
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