本研究では、1960年代末から70年代中盤までの東アジア秩序変動期において、日米韓トライアングルがどのように機能し、日韓が協力可能な領域を見出したのかを明らかにした。「分断体制下の安保危機」という状況下、日韓は米国との同盟を基盤としながら、安全保障協力の可能性を模索した。「安保経済協力」はその現れであった。その一方で、朝鮮半島における緊張緩和にも外交力を注いだ。このように日韓両国は、安全保障と緊張緩和という相反する政策的要請を両立・均衡させながら関係調整を行なった。従来の対立と協調の二分法的な分析から脱却し、複雑な利害を調整しながら協力関係を築いた過程を究明した。
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