研究課題/領域番号 |
25780119
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
山本 健 西南学院大学, 法学部, 准教授 (70509877)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | デタント / 冷戦 / 同盟 / NATO |
研究概要 |
本年度はイギリスおよびフランスへ赴き、史料の収集を重点的に行った。夏季には、イギリス国立公文書館へ行き、首相官邸史料と外務省の史料を幅広く収集することができた。また春季にはフランス外務省公文書館へ私費で行き、1970年代のフランス政府の軍縮提案についての史料を収集することができた。 また平成25年7月20日には九州大学政治研究会において研究報告をする機会を与えられ、「デタントと西側諸国の対ポーランド危機政策、1980-81年」と題する報告を行った。これを通じて、1980年代初頭に起こった危機の最中、西側同盟諸国がどのような対応を行い、どのような対立が存在したのかについて暫定的な分析を行うことができた。この分析内容を意識しつつ、1970年代の同盟諸国のデタント政策のさらなる分析に役立てる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はイギリスとフランスの史料を収集することができ、十分なスタートを切ることができたと思われる。また研究報告を通じて、1980年代からさかのぼって1970年代のヨーロッパ冷戦を検討する視点を強化することができた。1970年代の冷戦の緊張緩和の時代には冷戦は終わらず、1980年代後半以降に冷戦が終焉したことからしても、1970年代を相対化することが重要であろう。
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今後の研究の推進方策 |
まずは収集した多くの史料を整理し、読み込んでいくことが必要である。その際に、イギリスとフランスの史料を比較したり、補い合ったりさせながら、歴史像を浮かび上がらせていく作業を進めることになる。 1970年代の冷戦に関する研究は日進月歩の状態にあり、新しい研究をフォローアップしつつ、それらの成果を吸収していかなくてはならない。 そして西ドイツおよびアメリカの史料の利用可能性ならびに、これまで利用できなかったイギリスの史料の新たな開示状況をチェックしながら、さらなる史料収集を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
イギリスでの史料収集旅行の日程上、旅費を予定より安く済ますことができたため。 次年度において、研究上必要な史料や書籍の購入に使用する予定である。
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