本研究では、産業構造の違いを資本集約度で表し、異なる産業が複数存在する最適経済成長モデルにおいて、産業構造の変化が経済成長及び動学的変動に与える影響について理論的に分析を行った。資本集約的な消費財と労働集約的な投資財を生産する2つの産業が存在するケースでは、産業間の資本集約度の差がある程度存在すると、経済の変動は小さく、長期の均衡へ単調に収束しいくことが分かった。一方で、資本集約度の差が小さくなり、2つの産業の構造が似通ってくると、最適経路は複雑となり長期均衡周辺で変動を続けながら収束していくことが分かった。
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