研究課題/領域番号 |
25780136
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
宇野 浩司 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (70506386)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲーム理論 / 国際研究者交流(ベルギー) / 国際情報交換(フランス) |
研究概要 |
世の中の多くの状況は,自分が何をしたかだけでなく他の人が何をしたかも自分にとって重要な要素となる,いわゆる「戦略的状況」である.(非協力)ゲーム理論は,戦略的状況において人々がどのように行動するかという問いに理論予測を与える学問である.ゲーム理論では理論予測として「ナッシュ均衡」や「相関均衡」をよく用いる.ナッシュ均衡が複数存在したとき,どのナッシュ均衡を理論予測として用いればよいかという均衡選択問題に直面する. この問題に対して,本研究は,「鞍関数」という新たな概念を提案し,「鞍関数」の「maximin値」より「鞍関数」値が大きくなるような相関均衡の集合は,人々の情報構造に対して頑健な理論予測であるという意味でもっともらしいことを示した.この結果を "Saddle Functions and Robust Sets of Equilibria"としてまとめ,日本経済学会春季大会(富山大学)にて報告した.また,Olivier Tercieux氏 (Paris School of Economics),Chantal Marlats氏(Universite Pantheon-Assas, Paris II) を訪問し,意見交換をした.そして,国際ジャーナル Journal of Economic Theory にて受理,刊行された.なお,本研究は Vladyslav Nora氏 (Universite catholique de Louvain)との共同研究である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初,ゲーム理論の応用上重要で,本研究プロジェクトにおいて基礎となる均衡選択問題に解答を与え論文として完成させることを目標としていた.本年度は,その結果をまとめた論文を完成させただけでなく,時間がかかると思われていた国際ジャーナルでの受理、刊行へ予想以上に早く到達したから.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,米航空産業におけるネットワーク価格づけについて構造推定を行う.本研究は,代表者が理論研究を主に行い,西田充邦氏 (Johns Hopkins University)が実証研究を行う共同研究である.代表者は米航空産業におけるネットワーク価格づけの状況をゲームとして定式化し,解の特徴づけを行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初,物品購入としてパソコンの購入を考えていたが,最新版の発売が予想より遅れたため,前年度での購入を見送ったため. 今年度に最新版が発売された時にパソコンの購入に充てる予定である.
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