本研究では、表明原理に基づく議論を補完する基礎理論の確立と、その応用に関する考察を行った。エージェントの所得や財・サービスに対する評価が私的情報であり、プリンシパルとエージェントの間に情報の非対称性が存在する状況を想定する。主要な研究結果は、以下の2点である。第一に、任意の誘因整合的な直接表明メカニズムから特定の間接メカニズムとしての非線形価格関数を構築する手法を提示し、その手法の背後にある経済学的意味を理論的に分析した。第二に、構築された非線形価格関数が、現実に観察されるブロック料金制となるための必要十分条件を明らかにした。
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