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2014 年度 実施状況報告書

Non-bossiness(非介入性)によるオークションルールの公理化

研究課題

研究課題/領域番号 25780139
研究機関高崎経済大学

研究代表者

安達 剛  高崎経済大学, 経済学部, 講師 (00535122)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードメカニズムデザイン / 遂行理論 / 耐戦略性
研究実績の概要

2013年度研究ではオークション環境における非介入性の要請(=第1価格オークションが満たす要請)と耐戦略性の要請(=第2価格オークションが満たす要請)の間のトレードオフ関係を明らかにしたが、2014年度は(オークション環境に限らない一般的な状況下で)非介入性と耐戦略性を同時に要請することが持つ含意に関する研究成果を刊行することができた。プレイヤー個人が他者の利得を操作できないことを要請するのが非介入性であるのに対して、同じ条件をプレイヤー集団に対して拡張した要請として長方形性(rectangular property; Saijo, et.al. (2007) Theoretical Economics)がある。この長方形性と耐戦略性を同時に要請することが、ゲーム理論における「共通知識」の仮定に対する均衡帰結の頑強性の要請であるロバスト遂行可能性と同値になることを明らかにした(Adachi (2014a) Games and Economic Behaviors)。よって、長方形性と耐戦略性を同時に満たしていないルールは必ず、プレイヤー間で互いのタイプに対する何らかの知識が共有できていることを仮定しなければゲーム理論的に望ましい結果が実現できることを保証できない。
またその他の研究成果として、専門的知識を独占している専門家集団が審議によって社会的に正しい評価基準を導くにはどのような運営ルールが導入されるべきかについての研究(Adachi (2014b) Games and Economic Behaviors)、および世代間公平性についての評価基準の合理性についての研究(Adachi, et. al. (2014) Mathematical Social Science)について研究成果を刊行できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

非介入性が持つ性質をオークション環境に限定しない一般的な環境において検討し、有益な成果を得ることができたため。

今後の研究の推進方策

引き続き一般的な環境における非介入性の意義を検討するとともに、オークション環境における関連問題についての研究調査を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Robust and secure implementation: equivalence theorems2014

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Adachi
    • 雑誌名

      Games and Economic Behavior

      巻: 86 ページ: 96--101

    • DOI

      10.1016/j.geb.2014.03.015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A natural mechanism for eliciting rankings when jurors have favorites2014

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Adachi
    • 雑誌名

      Games and Economic Behavior

      巻: 87 ページ: 508--518

    • DOI

      10.1016/j.geb.2014.07.003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Extended anonymity and Paretian relations on infinite utility streams2014

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Adachi, Susumu Cato, Kohei Kamaga
    • 雑誌名

      Mathematical Social Sciences

      巻: 72 ページ: 24--32

    • DOI

      10.1016/j.mathsocsci.2014.10.002

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公開日: 2016-06-01  

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