研究課題
若手研究(B)
本研究では、D.ヒュームのコンヴェンション概念について検討し、これを「利己心の自己規制」と解する従来解釈を批判的に乗り越えようとした。本研究の第一の成果は、ヒュームのコンヴェンションの内容は、共感を通じた自他の利益関心の結合にあるという仮説的解釈である。また第二の成果は、(当初の予定とは異なり、第一の成果から独立した形で)共感とコンヴェンションを、『イングランド史』の歴史叙述に基づいて、ともに人間の両義的な社会的本性と捉える新たな解釈の構築である。
社会思想史