経済変数の動学構造が観測個体ごとに異なっている場合に、パネルデータを用いて、動学構造の分布を調べるための手法を開発した。特に、平均、自己共分散、自己相関といった動学構造における重要な母数が、観測個体ごとに異なっている状況で、それらの分布を推定する手法を開発し、それらの手法の漸近的な振る舞いを分析した。さらに、ジャックナイフ法を用いたバイアス修正の方法とブートストラップ法による統計的推測の方法を開発した。モンテカルロシミュレーションによって、手法の有限標本での性質を検証し、また所得動学と生産性動学に関する実証分析を行った。
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