本研究の最終到達目標は、(1)企業結合が買収企業と被買収企業の生産性に与える影響をデータを用いて分析し、そのメカニズムを解明すること、(2)産業発展における企業結合の役割を考察することである。本研究から得られる知見は、企業結合は市場独占度を高めるという負の効果もあるが、生産性の向上を通じて資源活用の効率化を促す正の効果もある。より効率的に利用できる企業に生産設備を再配分するメカニズムとして企業結合を捉えることができる。生産設備を新規に導入することが難しい状況では、企業結合は生産設備と企業のミスマッチを解消し、産業発展に貢献する可能性を示している。
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