豊かな天然資源は、資源国の経済に停滞と成長という相反する結果をもたらしている。このような資源と経済成長の非単調な因果関係を説明するため、本研究では従来の「量」的な資源の豊かさの定義に加え、資源投資の収益率に影響を及ぼす資源の地理的な「密集度」を新たな豊かさの指標として着目した分析を行った。その結果、天然資源量が豊富で且つ密集度の高い場合に限り、経済成長を押し上げる効果があることがわかった。天然資源の賦存量と立地特性を鑑み、資源開発の優先度を見極めることで、経済成長を促すような資源政策を考えることが可能となる。
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