本研究では、以下の二つの点を明らかにすることを目的とした。第一に、被災地における社会関係資本の形成・減退が起こるメカニズムを明らかにすることである。第二に、被災地コミュニティの社会規範が災害復興にもたらす影響を明らかにすることである。これらの研究目的を達成するため、本研究では、バングラデシュのサイクロン被災者および福島県の原発事故避難者から収集された二種類の家計レベルデータを用いた。このデータから、被災地において治安の悪化や信頼関係の上昇が起こる経済メカニズムを明らかにした他、被災程度の軽減・災害復興における社会関係資本の役割を示した。
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