本研究は、空間経済学において議論される「都市の魅力度」について、社会的厚生関数の概念へと関連づけるための分析を行ったものである。長期持続可能な都市成長を遂げるためには、その魅力度をいかに高めるかが重要となる。その1つの要素として、ここでは、経済主体それぞれの立地点における財やサービスの入手可能性に着目した。間近に手に入らないものは遠方から入手することになるが、必需性に応じた財やサービスの空間的配分を、どのような前提条件を持つ地域に、どういった政策によって対応していくか、都市構造の理論的枠組みを用いて分析した。
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