研究課題/領域番号 |
25780181
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研究機関 | 独立行政法人経済産業研究所 |
研究代表者 |
齊藤 有希子(梅野有希子) 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (50543815)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知識波及 / 企業間取引 / 集積 |
研究実績の概要 |
集積の外部経済である知識波及および企業間取引にに注目し、地理的特性とその要因について分析を行った。マイクロ立地データ(緯度経度情報)から算出した距離ベースの指標からは、知識生産活動を行う組織は、他の組織よりも集積する傾向があり、高度な技術分野や生産性の高い組織でより顕著に確認された。 取引を通じた波及については、静的な実証分析を行うとともに、震災や新幹線開通の効果などを合わせて、因果に踏み込んだ分析をした。また、理論の研究者と共同研究を行って、実証と理論の両面から議論することが出来た。 外部経済の経路をよりマイクロに測定するため、知識波及、企業間取引、労働者の類似性などの指標を用いて、集積をもたらす要因と生産性上昇に関係する要因の識別を行っている。現在進行中の研究であり、ワーキングペーパーにまとめるとともに、外部報告をし、他の研究者から意見を求めているところである。 知識波及や取引の地理的要因に関する分析は、所内のワーキングペーパー4本にまとめた。所内のワーキングペーパーはCEPRのVoxのEditor-in-Chiefにより選抜されて、VoxEUのコラムに掲載されるが、4本とも全て選ばれて、そのうち2本は既にコラムになっている。また、研究成果をNBER Japan Project meetingで報告するとともに、NBERワーキングペーパーとして掲載された。VoxEUのコラム、NBERワーキングペーパーともに、閲覧者が多いものであり、研究成果の普及についても、効果的に行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集積の外部経済である知識波及に注目し、知識波及の地理的特性およびその要因を明らかにすることを目的としているが、地理的特性については、成果物として既に公表済みであり、論文投稿している。また、外部経済の経路については、分析がほぼ終わり、成果物をまとめている段階である。さらに、発明者レベルのデータセットは完成しており、発明者の異動と知識波及の関係を分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の成果物は高い評価を得ており、これらの普及活動をさらに進めるとともに、発明者の分析については分析途中であるが、外部報告を頻繁にすることにより、他の研究者の意見も反映し、より良いものに仕上げていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
306円の端数が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
端数なので、計画は変わらない。
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