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2015 年度 実績報告書

義務教育段階における学力形成の経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 25780185
研究機関新潟大学

研究代表者

北條 雅一  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30362601)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード学力 / 学級規模 / 社会経済的背景 / 男女差
研究実績の概要

平成27年度には2つの研究を遂行した。1つは,前年度に引き続き,学級規模(クラスサイズ)の縮小が児童・生徒の学力に与える影響に関する研究である。分析の結果は以下の2点に集約される。中学3年生の国語と数学を対象とした回帰分析の結果,学級規模の縮小は学力の向上に対して統計的に有意な効果をもつことが明らかとなった。効果の大きさは,学級規模5人縮小によって正答率が最大で0.09標準偏差上昇するというものであった。次に,平均SES(社会経済的背景)が低い学校と高い学校にサンプルを分けて推定をおこなった。その結果,平均SESが低い学校において学級規模の縮小が学力の向上に有意な影響を与えているのに対し,平均SESが高い学校では有意な学級規模効果は確認されないことが明らかとなった。この結果は,社会経済的に不利な状況に置かれている学校において学級規模縮小の効果が大きいことを示すものであり,教育政策の公平性の観点からも興味深い結果である。この分析結果は,本研究課題を総括するものとなっていると考えている。分析結果を含む論文は『国立教育政策研究所紀要』に掲載される予定である。
2つめの研究は,数学学習の男女差に関する日米比較研究である。分析には2種類の国際学力調査を用いた。分析の結果,日米ともに数学の学力や学習態度に男女差が確認され,特に学習態度については日米間で顕著な違いがみられた。日米ともに第4学年では女子のほうが否定的な回答をする傾向が確認されたが,その傾向は米国の第8学年では縮小し,日本の第8学年では拡大していた。数学の有用性に関する設問に対して,米国の生徒は肯定的な回答をする傾向が明らかに強く,同時にこれらの設問に対する回答の男女差が日本の生徒に比べて小さいことが確認された。本研究の成果は『新潟大学経済論集』に掲載された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 学級規模の縮小は中学生の学力を向上させるのか-全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した実証分析-2016

    • 著者名/発表者名
      妹尾渉・北條雅一
    • 雑誌名

      国立教育政策研究所紀要

      巻: 145 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 数学学習の男女差に関する日米比較2015

    • 著者名/発表者名
      北條雅一
    • 雑誌名

      新潟大学経済論集

      巻: 99 ページ: 1,15

    • オープンアクセス

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公開日: 2017-01-06  

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