研究課題
若手研究(B)
本研究は,家計の労働供給行動として就業選択行動を採用したMirrlees型の動学的最適所得税モデルを構築し,誘因両立的な再分配政策を提示するための理論分析を行った。その結果,家計の各期のタイプと貯蓄が私的情報であるとの想定の下,最適配分は労働履歴に基づく労働所得税で遂行可能であるが,通常の労働所得税では遂行不可能となった。そこで,通常の労働所得税を補完し,遂行可能とする社会保障政策として,強制的な年金保険制度と低所得世帯に対する時限的給付を提案した。
財政学