| 研究課題/領域番号 |
25780196
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| 研究機関 | 神奈川大学 |
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研究代表者 |
森田 圭亮 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (70467265)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 租税回避 / タックスコンプライアンス / タックスシェルター / タックスヘイブン |
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| 研究実績の概要 |
平成27年度に取り組んだ研究実績の概要は以下の通りである。前年度（平成26年度）ではMartin and Rogers (1995)やMelitz (2003)を参考にして、一般的なタックス・ヘイブンやタックス・シェルターに関する経済主体の行動や産業構造の分析を進めてきた。これに対して、本年度（平成27年度）では、多国籍企業による国際的租税回避行動のうち、earnings strippingと呼ばれるグループ内債券を活用した利潤シフトに焦点を当てて調査研究を進めてきた。同時に、前年度までの研究で特に課題となっていた租税専門家が国際的租税回避行動に与える影響について分析の改善を試みているところである。一方、当初計画に従って、国際的租税回避行動を知るうえで重要となる租税回避に関する基礎的研究について成果をまとめ、海外雑誌に論文を掲載するとともに、海外学会において研究成果の報告を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画と昨年度に挙げた課題を考慮した上で、3つの側面から研究を進めてきた。第1に、Martn and Roger (1995)やMelitz (2003)などの産業組織論や国際経済学のアプローチを応用しつつ、個人や企業による国際的租税回避行動の分析を行った。第2に、今年度は特に多国籍企業による債券を活用した利潤シフトに注目して分析を進めることができた。第3に、租税回避行動の基礎的研究を進め、その成果を学術雑誌に掲載した。ただし、今年度の研究にはいくつかの課題もあると考えている。例えば、掲載した論文や学会で報告した論文を含め、研究成果の多くは、アプローチの複雑さからインプリケーションが希薄になりがちであるという問題点を内包していた。また、グループ内債券を活用した国際的租税回避については、モデルの制約から、本来目的としていた国際的租税回避が発生する原因の特定までには至らなかった。こうした点について、今後さらなる改善が必要であると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、当初の研究計画と昨年度までに浮上した研究課題、そしてこれまでの研究の経緯を踏まえた上で、次の点について研究を進めていく予定である。第1にタックス・シェルターの産業構造について、とくにプロモーターの役割に注目した分析を進めていく。第2に、国際的租税回避のうち、債務を活用した利潤シフトや移転価格など多国籍企業によくみられる租税回避手法とタックス・ヘイブンの役割に注目した分析を行う。第3に、これまでの基礎研究業績の見直し、改善を行う。第1から第3の点については前年度研究までの課題や成果の継続事項に当たる。第4に、本研究の最終年度として、研究の総括を行うとともに、今後の研究の発展につながるような将来展望や課題の洗い出しを行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
海外学会(the Singapore Economic Conference 2015)など研究出張の見合わせが数回あった。また、事務手続き上の都合などを考慮して次年度（平成28年度）に購入を見送った学術書籍・学術論文など文献および研究に直接必要となる物品が複数あった。これらの事情から、次年度へ使用額が繰り越しとなった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度繰り越し分のうち学術書籍等物品購入に3割程度、学会など研究出張の旅費に5割程度、英文校正費などそのほかの用途（直接経費のうち、人件費・謝金、その他項目に該当する）に2割程度充てる予定である。
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