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2014 年度 実績報告書

NPOに対する寄付者の選好が地方自治体における公共財の配分に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 25780198
研究機関明石工業高等専門学校

研究代表者

石田 祐  明石工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (20455554)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード寄付行動 / 公共財 / 公共サービス / NPO / NPO法人 / 地縁組織 / 地域防災 / ソーシャル・キャピタル
研究実績の概要

大きく3つの分析に取り組んだ。1つは、地縁組織系のNPOと民間企業との関係を対象とした、地域防災という公共財・公共サービスの供給に関する分析である。この分析では、企業が地域に義援金などの寄付を含めいかに貢献したか、またそのような地域防災への貢献を行うのはどのような企業であるかに着眼している。実際に被災し、その後復興を遂げた地域の民間企業にその後の平時における地域防災への貢献について取り上げ、地域住民とのネットワークやCSRの現状を問うた調査データを用いて検証を行った。その結果、地域防災の要でもある消防団への理解が大きな影響を与えているとともに、能動的なネットワークが地域防災への貢献に影響を及ぼしうることが示されている。
2つ目は、潜在的寄付者の選考に関する分析である。NPOのどのような財務情報を与えられれば寄付行動に至るか、またその情報を受ける個人の属性としてNPOとの関係の深いボランティア活動経験や、財務情報を読み取る会計知識が大きな要因となるのではないかと想定し、個人を対象とした調査データを用いて分析している。計量分析から、ボランティア経験と会計知識のいずれもが有意な要因であることが示されている。特に、ボランティア活動経験が大きな影響を有しており、実際に参加することが財務情報への直感的な読み取りかつ実感的な共感を得ることにつながることが推察され、潜在的な寄付者に対して組織の透明性を高めるだけでなく、実際の活動への参加を得られれば、NPOへの寄付行動が促進される。
3つ目は、地域のNPOに寄付する個人を明らかにする分析である。地域の何に関心をもって寄付を行っているかを、金額とともに明らかにすることができれば、どのような分野にどの程度のお金が流れていくかが明確になり、どのくらいの規模の公共財・公共サービスがNPOによって供給されうるかを推計することも可能となる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Local charitable giving and civil society organizations in Japan2015

    • 著者名/発表者名
      Ishida, Yu and Okuyama, Naoko
    • 雑誌名

      Voluntas: International Journal of Voluntary and Nonprofit Organizations

      巻: 26 ページ: Online First

    • DOI

      10.1007/s11266-015-9588-9

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 非営利組織の財務情報と情報利用者の属性に関する実証研究--会計知識とボランティア経験が与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      石田祐・馬場英朗
    • 雑誌名

      非営利法人研究学会誌

      巻: 16 ページ: 81-89

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 新たな地域防災政策への可能性(2)--防災関連調査データを用いたコミュニティ・レジリエンスの測定2014

    • 著者名/発表者名
      石田祐・藤澤由和
    • 雑誌名

      ESTRELA

      巻: 246 ページ: 14-19

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] Comparative Analysis on Perception of NPOs: Using Survey Data in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Ishida, Yu; Baba, Hideaki; and Yamauchi, Naoto
    • 学会等名
      43rd Annual Conference of Association for Research on Nonprofit Organizations and Voluntary Action
    • 発表場所
      Grand Hyatt Denver Downtown, Denver, CO, USA
    • 年月日
      2014-11-23 – 2014-11-26
  • [学会発表] 震災復興における民間支援の役割に関する実証分析:サーベイデータを用いた計量的アプローチ2014

    • 著者名/発表者名
      山内直人・奥山尚子・岡田彩・石田祐
    • 学会等名
      日本行動計量学会第42回年次大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2014-09-03 – 2014-09-04
  • [学会発表] How Can Social Capital Make Community Resilience Different?: Exploring Coping Strategies of Civil Society in Disaster Management2014

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi, Naoto; Okuyama, Naoko; Okada, Aya; and Ishida, Yu
    • 学会等名
      11th International Conference of International Society for Third-Sector Research
    • 発表場所
      University of Muenster, Munster, Germany
    • 年月日
      2014-07-23 – 2014-07-25
  • [学会発表] Financial Information of CSOs and Donors' Decision Making2014

    • 著者名/発表者名
      Ishida, Yu and Baba, Hideaki
    • 学会等名
      11th International Conference of International Society for Third-Sector Research
    • 発表場所
      University of Muenster, Munster, Germany
    • 年月日
      2014-07-23 – 2014-07-25
  • [備考] RESEARCH

    • URL

      http://www.akashi.ac.jp/contents/General/ishida/research/research.html

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公開日: 2016-06-01  

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