本研究課題では、政策決定時に金融政策要因が大きくなるという条件の下で政策因果効果を識別し、政策運営におけるコミュニケーション、期待経路、非伝統的金融政策手段の有効性に焦点を当てて分析を行った。分析結果は以下の通りである:(1)コミュニケーション効果が政策決定自体の効果とは別に存在している(2)将来の政策についてのフォワードガイダンスに関し「経済状況の変化に応じて将来の政策行動の変化を伝える性格のもの」と「将来の政策当局自身の行動を制約する性格のもの」とで政策効果が異なる可能性がある(3)短期金利操作・量的緩和・質的緩和の政策手段の違いによって金融市場を通じた実体経済波及効果が異なる
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