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2014 年度 実施状況報告書

空間的要因を考慮したリスクシェアリング外部性モデルを用いた伝播メカニズムの分析

研究課題

研究課題/領域番号 25780206
研究機関明治学院大学

研究代表者

大野 弘明  明治学院大学, 経済学部, 准教授 (20554934)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードリスクシェアリングの範囲 / 銀行 / 資産市場 / 長期R&D投資 / 消費の平準化 / 内生成長
研究実績の概要

銀行および資産市場の資源配分の役割についてリスクシェアリングの範囲の観点から明らかにすることを目的に研究を進めた。今年度の研究成果は以下の3点である。
第一に、金融危機の伝播メカニズムを明らかにするにあたって、銀行によって提供可能な資源配分が資産市場で達成される資源配分に比して有用であることを明らかにし、分析を進める必要がある。すなわち、個人にとって資産市場で資金を運用するより、銀行に預金することで資源配分上望ましい結果が得られなければ、個人合理性条件より、銀行に預金することが選択されず、銀行の存在が均衡上で支持されない。銀行の資源配分が厚生上、資産市場を支配する環境下で、銀行危機の伝播を示す必要がある。この点を考慮するため、選好ショックの問題を抱える家計と、銀行と資産市場が併存する世代重複モデルを構築し、資源配分を閉形式解で均衡の特徴付けをおこなった。均衡では、銀行の資源配分が資産市場の資源配分を厚生上支配することが明らかになった。この結果は、海外査読誌であるInternational Journal of Economics and Financeに採択された。
第二に、銀行の有用性を特徴付けるため、これまで分析を進めてきた長期間を要するR&D投資に対する銀行が果たす役割についての分析を洗練した。財市場の均衡条件と、資産市場の均衡条件の特徴付けを再考し、balanced growth path上における解の特徴が明らかになった。本研究は海外査読誌の改訂要求を受け、リバイスをおこない再投稿中である。
第三に、危機の分析を進めるため、空間経済のモデルに拡張しながら、分析を進めている。本研究は、リスクシェアリングの範囲が拡大するにつれリスク負担が減じる一方で、財取引の清算時にかかる移送コストが上昇するトレードオフを捉え分析を進めている。本研究については今年度中の原稿の完成を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、いくつかの基本モデルの構築段階を終え、分析の作業に取り組んでいる。今年度中のディスカッションペーパーの完成を目指す。また、学会および研究会報告を積み重ねることを通じて様々な批評に晒されることで論文の質の向上に努める。

今後の研究の推進方策

解析解の分析を進め、論文を完成させ海外査読付誌に投稿する。

次年度使用額が生じた理由

論文の投稿料が予測より低く抑えられたため。

次年度使用額の使用計画

論文の投稿料および英文校正費等に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Limited Market Participation, Financial Intermediation, and Consumption Smoothing2015

    • 著者名/発表者名
      大野弘明
    • 雑誌名

      International Journal of Economics and Finance

      巻: 7 ページ: 36--44

    • DOI

      10.5539/ijef.v7n3p36

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [備考] Research | Hiroaki OHNO

    • URL

      http://ohno.site-station.net/research_j.html

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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