研究課題/領域番号 |
25780212
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
坂井 功治 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (80548305)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 金融論 |
研究概要 |
本年度は、先行研究のサーベイとデータセットの構築を行った。先行研究のサーベイについては、景気変動と企業の資金調達行動の関係性に関する理論研究および実証研究のサーベイと論点整理を行った。理論研究については、Jermann and Quadrini (2006)、Levy and Hennessy (2007)、Covas and Den Haan (2012)らの理論モデルを中心にサーベイおよび論点整理を行い、その結果、(1)個々の理論モデルが、景気変動と企業の資金調達行動の相関について大きく異なった理論予測を示していること、(2)この理論予測の違いは、個々の理論モデルにおける企業の異質性(heterogeneity)の取り扱い方、負債と株式の代替性の取り扱い方などに大きく左右されていること、が分かった。実証研究については、Korajczyk and Levy (2003)、Jermann and Quadrini (2006)、Covas and Den Haan (2011)らの実証分析を中心にサーベイおよび論点整理を行い、その結果、(1)個々の実証分析によって、景気変動と企業の資金調達行動の相関についての実証結果が大きく異なること、(2)この実証結果の違いは、実証分析における企業の異質性(heterogeneity)の取り扱い方に影響されていること、が分かった。 データセットの構築については、現在、集計データの方のデータセット構築を行っているところであり、財務省の「法人企業統計」に収録されている企業について、1960年代から直近に至るまでの企業の資金調達変数(負債調達、株式調達、内部資金調達など)、実体経済変数(キャッシュ・フロー、設備投資など)を、企業規模別、業種別に切り出し、一つのデータセットにまとめる作業を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究のサーベイおよび論点整理については、当初の計画通り順調に進んでいるものの、データセットの構築については、データのアベイラビリティの問題等もあり、若干作業が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
財務省の「法人企業統計」にもとづく集計データ、日経Financial Questの「企業財務データ」にもとづく個別データのデータセットを構築し、1960年代から直近に至るまでの企業の資金調達変数(負債調達、株式調達、内部資金調達など)、実体経済変数(キャッシュ・フロー、設備投資など)の時系列推移、分布を分析し、ファクト・ファインディングを得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はおもに先行研究のサーベイおよびデータセットの構築を中心に行っており、打ち合わせや研究報告に係る調査研究旅費が発生しなかったため。 次年度以降の調査研究旅費等として使用する予定。
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