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2014 年度 実績報告書

羊毛企業にみられた天然繊維代替の展開と限界

研究課題

研究課題/領域番号 25780215
研究機関神戸大学

研究代表者

平野 恭平  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10509847)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード経済史 / 経営史 / 羊毛工業 / 化学繊維
研究実績の概要

戦間期から戦後にかけての羊毛企業の化学繊維に対する取り組みについて,日本毛織を代表的な事例として明らかにするため,平成26年度も,神戸大学大学院経営学研究科所蔵の日本毛織資料の整理を継続して行った。具体的には,①資料目録の作成,②追加資料の登録,③劣化資料の修復・保護などである。これらの作業によって,本研究を開始する前までに受け入れた資料についての整理を終了し,日本毛織資料を研究に広く利用できる環境を整えた。ただし,平成26年度後半に大量に受け入れた資料の整理については,残された時間と予算の制約から,今後の課題とすることにした。
上記の作業と並行して,日本毛織株式会社印南工場所蔵資料の調査を行い,戦前・戦時期の原料自給に関連する牧場資料,戦後の原料代替に関連する新繊維研究会記録などの一次資料や日本毛織技術史(人造絹糸製造)の草稿を新たに発見することができた。経営者の意思決定を示す資料は得られなかったが,技術面の資料からアプローチすることによって,日本毛織の社史では触れられていない化学繊維に対する姿勢や取り組みを読み解くことができた。日本毛織では,原料事情の悪化から,戦間期・戦時期に原料自給や原料代替に乗り出し,その名残が復興期にもみられたが,原料輸入が再開されるようになると,それらの意欲は後退し,新しく登場した合成繊維に対しても,自らファイバーメーカーとなるよりも,ユーザーの立場から混紡・交織に取り組むにとどまった。日本毛織では,原料事情の変動によって,化学繊維に対する経営者の関心のウエイトが浮動していたことを明らかにした。このような点を考察した論文を作成し,投稿準備を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 産業遺産を歩く2015

    • 著者名/発表者名
      平野恭平
    • 雑誌名

      経済学・経営学学習のために

      巻: 平成27年度前期号 ページ: 51-60頁

  • [雑誌論文] 戦時期日本の代用繊維開発と戦後への継承2014

    • 著者名/発表者名
      平野恭平
    • 雑誌名

      ビジネス・インサイト

      巻: 第22巻第1号 ページ: 51-56頁

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公開日: 2016-06-01  

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