医療法人病院のガバナンスと意思決定

2013 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25780225
• 研究種目: 若手研究(B)
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 堀籠 崇 東北大学, 経済学研究科(研究院), 博士研究員 (80547357)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 病院ガバナンス / 意思決定 / 経営分析 / 医療法人

研究概要

平成25年度においては、当初、以下２つの研究課題を計画していた。
第1は、病院ガバナンスにおける課題を整理、分析することである。当初の計画に従って、国立国会図書館を中心として、病院ガバナンスにかかる議論が記述されている資料の収集を行った。具体的には、『日本医事新報』『医学通信』『総合医学』等、複数の雑誌記事の収集と整理を行った。さらに、戦後わが国病院管理学の第一人者である山元昌之による、わが国病院経営関連文献の紹介記事（山元昌之「病院経営文献について」『病院』3（5）医学書院1950.11）を参考として、第二次世界大戦以前の我が国における病院経営論にかかる文献の収集と整理も進めた。
第2は、平成22年度医療施設調査(厚生労働省)における、「人口10万対病院病床数」上位3県(高知、鹿児島、熊本)と下位3県(愛知、埼玉、神奈川)の、全医療法人病院に対してアンケート調査を実施することである。当初の予定では平成25年度に、アンケート項目を2部に大別し（医療法人病院の組織構造の実態に関する項目＝ガバナンス項目と、意思決定における影響要因及び選択基準に関する項目＝意思決定項目）、アンケート項目の設計と実施を行う計画であった。しかしながら、本年度においてはアンケート調査票の設計は完了したものの、実施には至っていない。
なお、平成25年度における研究成果については、平成26年度の学会報告や論文公表の形で外部に発信していく予定である。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成25年度における、研究目的の達成度については、40%程度であると自己評価している。その理由は以下の通りである。
当初の研究計画では、平成25年度において２つの研究課題を計画していた。第1に、病院ガバナンスにおける課題の整理・分析、第2に医療法人病院のガバナンス項目と、意思決定項目とに関するアンケート調査の実施、である。平成25年度において、前者についてはおおむね順調に遂行できたものの、後者についてはアンケート調査票の設計は終えたものの、その実施には至らなかった。当初の研究計画において想定していたアンケート調査項目について、現在の医療を取り巻く社会的情勢を考慮し、細部の見直しを行ったためである。

今後の研究の推進方策

平成26年度においては、平成25年度において残された課題である、アンケート調査の実施を急ぎ進め、アンケート調査結果の分析を行う。アンケート調査方法は自作質問紙を用いた郵送法によるアンケート調査とする。アンケートの回答期間は1ヶ月に設定し、アンケートの集計を含め8月までに作業を終える予定である。その後アンケート調査結果の分析について、年度内をメドに進める。
また、アンケート調査とあわせて、調査対象地域の医療環境(病院の競争状況、人口とその構成、各自治体の医療行政傾向など)の調査を実施する。こちらの作業は、アンケート調査の実施と同時並行で進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初の研究計画では、平成25年度において、平成22年度医療施設調査(厚生労働省)における、「人口10万対病院病床数」上位3県(高知、鹿児島、熊本)と下位3県(愛知、埼玉、神奈川)の、全医療法人病院に対してアンケート調査を実施する予定であったが、実施には至らなかった。その理由は、当初の研究計画において想定していたアンケート調査項目について、現在の医療を取り巻く社会的情勢を考慮し、細部の見直しを行ったことによる。
平成25年度請求分の助成金によって、平成25年度において実施できなかったアンケート調査を実施する。アンケート調査については、集計を含め8月までに作業を終える予定である。
平成26年度請求分の助成金については、アンケート調査結果の分析および、調査対象地域の医療環境(病院の競争状況、人口とその構成、各自治体の医療行政傾向など)の調査に使用する計画である。後者の作業については、アンケート調査の実施と同時並行で進める予定である。