研究課題/領域番号 |
25780226
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柴田 聡 山形大学, 人文学部, 講師 (20609250)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経営学 |
研究実績の概要 |
組織内部における変化への適応行動を主眼にコホートモデルを用いた従業員の適応行動についての調査並びに分析を行い日本経営学会において研究報告を行った。 具体的には、企業家志向性について従業員レベル、経営者レベル、組織レベルそれぞれの階層を考慮した上で組織の志向性の変化のプロセスを分析する枠組みを組織社会化の概念を利用して提案した。 分析の結果から、従業員の社会化については在職年数の影響があること、在職年数が及ぼす影響は一定ではないこと、組織内の風土が従業員の社会化に影響をおよぼすこと、経営理念の浸透が従業員の社会化に影響をおよぼすことが確認できた。 個別の分析結果を示すと、①企業の在籍年数、特に3年-5年の在職期間で企業家志向が上昇し経営者に近づく。これは在職によって従業員の過小なEOを改善することを意味しており、従業員は経営者を学習の規範として活用している可能性が見いだされる。②経営理念について、経営理念の浸透は従業員EOを増加させるため、従業員EOが経営者EOよりも低い従業員が多い場合、経営者との差異を縮小する効果を持つ可能性が指摘できる。③企業EOについて、企業家志向性の企業内平均値や組織内の情報交換によって経営者との距離が離れていくため、組織内での同一化は問題があると考えられる。ことを明らかにした。 これは、本研究のテーマである組織の環境適応行動は前年度報告した組織レベルでのマクロな適応行動とともに組織内部のミクロレベルでの適応行動のリンクを解明する必要がありその手がかりとして今年度の研究を実施したものである。また、別途、組織構造の影響を企業レベルで分析するためのモデルについて組織学会でも研究報告を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
11月以降病休したため当初予定していた論文の投稿が遅れている。 本年4月より復職し、前年度の学会報告成果に基づき論文作成を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの成果を踏まえ論文の作成を行い学会誌等に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
病気休職のため予定していた研究が遂行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
休職期間中のため購入できなかった物品の購入費として充当する
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