研究課題/領域番号 |
25780228
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
工藤 悟志 学習院大学, 経済学部, 客員所員 (70613313)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 技術経営 / イノベーション / 技術転換メカニズム / 企業間競争 / 技術間競争 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、製造企業における技術転換のメカニズムを解明することである。 本年度は、前年度から継続している電力産業、重電産業に加えて、それ以外の産業における技術転換に関する事例分析、実証研究を進めた。それをもとに、技術転換を2つに分類していくつかの仮説をたてて、理論構築を試みている。 技術転換が起こる要因に着目し、2つに分類した。ひとつは、産業内の「企業間競争」からおこるもの、もうひとつは、企業内の「技術間競争」からおこるものである。この分類から、産業によって、技術転換の容易さ(①)、既存のコア技術との関連度合が異なる(②)ことが明らかになった。 いままでの技術転換に関する研究は、企業間競争から起こるものが多く取り扱われてきた。これは、市場メカニズムと深い関連性がある。一方で、(企業内の)技術間競争から起こる技術転換メカニズムの研究は、比較的少ない。この技術間競争による技術転換は、企業内部の意思決定プロセスのメカニズムを解明することであり、調査・研究として取り扱うことが難しかった。その意思決定に至る外部環境(市場)と内部環境(経営資源、経営戦略、経営組織など)を詳細に分析する必要があり、研究が進まないひとつの要因であると考えられる。しかし、本研究では、研究対象企業に協力をしてもらい、インタビュー調査、データ収集などを通し、事例分析・実証研究をおこなっている。本年度の研究成果として、技術間競争のメカニズム解明を進められたことは、意義があり、本研究において重要であった。 しかしながら、本研究の目的である企業間競争と技術間競争の技術移転メカニズムが、解明されたわけではない。今度、一層、日本企業と海外企業などの実証分析を進め、理論構築を目指し、研究成果をだしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、海外企業の調査を予定していたが、翌年度に延期した。その分、国内企業のいくつかの産業の技術転換事例について、先行して調査・研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度は、本研究の最終年度である。実証研究を夏までに終わらせ、秋以降、まとめ、理論構築に取り組みたい。そのために、調査・研究が可能かつ効果的な産業や企業について、再度検討し、そのうえで、調査・研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、海外調査を計画していたが、翌年度に延期した。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度は、海外調査を実施する。またデータ収集のための人件費も計上する予定である。
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備考 |
火力原子力発電技術協会における講座実施(2014年9月) 火力原子力発電技術協会 全国大会(2015年10月)におけるセッション発表が決まっている
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