研究課題/領域番号 |
25780229
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
糸久 正人 法政大学, 社会学部, 講師 (60609949)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 標準化 / R&Dコンソーシアム / イノベーション |
研究概要 |
初年度である今年度の成果としては、第一に、標準の原型を形成する欧州のR&Dコンソーシアム(「EUREKA」の「ITEA2」)に着目し、どのようなプレーヤーが参加しているのか、またどのようなプレーヤーがネットワークの中心的な位置にいるのか、という点を分析した。その結果、Siemens、Bosch、Philips、Thales、Alcatel-Lucentなどの大企業の他に、そうした大企業と中小企業を結ぶ研究センターの役割の重要性が明らかになった。具体的には、フィンランドのVTT、スペインのTecnalia、フランスのCEA、INRIA、ドイツのFraunhoferなどである。 既存研究でも、大企業と中小企業はそのままでは、コミュニケーションの難しさなどにより、なかなか協力関係が生まれにくいことが指摘されてきた。しかし、本研究の結果と、比較的成功している欧州の実績を合わせて考慮すれば、大企業と中小企業が協力して進めていくようなR&Dコンソーシアムにおいて、「つなぐこと」を役割とした組織の重要性が示唆される。なお、本研究成果は『赤門マネジメント・レビュー』に査読付き論文として掲載されている。 第二に、これまでの標準化に関する研究成果も含めて、実務者も多く参加する各研究会での発表、および(特許庁委託)「平成25年度知的財産国際権利化戦略推進事業・自動車分野知的戦略委員会」委員などを務め、研究成果の発表、およびディスカッションを実施してきた。その結果、これまでの研究結果に関する実務的妥当性は、十分に確保されていると認識することができた。それと合わせて、新たな研究の方向性として、「日本」の標準化のためのコンソーシアムに関しても、同様の調査すべきであるという助言を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果の発表/ディスカッション、国内外調査、および特許庁委託の標準化関係の委員会などにより、時間を取られてしまったことで、今年度に予定していた文献サーベイが多少遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
前期は平成25年度に予定していた文献サーベイによる理論モデルの構築を優先して実施する。また、そうした理論モデルをもとに、夏・春の休業期間を利用して、本格的な調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定していた文献サーベイが遅れたたために、図書を購入する予算の執行が遅れたため。 遅れた分の図書購入費用に充当する。
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