昨今、標準化の対象は広がり、企業間で共有する「標準」の重要度が増している。それに伴い、複数企業のコンセンサスによる標準化活動も増加している。こうした背景を踏まえ、制度論の知見を用いながら、本研究では標準の支配性と競争優位構築に関して事例研究を行った。その結果、コンセンサス標準を推進する既存有力企業は、新興国企業を巻き込んでビジネスエコシステムを構築することで、標準の支配性を確立し、競争優位を構築するメカニズムが示された。標準化戦略への対応が、日本企業や日本の標準化政策への鍵となることが本研究から導かれる。
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