研究課題/領域番号 |
25780237
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤川 健 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50454484)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 基盤産業 / 中小企業 / 技術経営 |
研究概要 |
本申請「階層から見た日本のサポーティング・インダストリーの技術競争力再考」は、基盤産業の市場構造を明示し、金型製造企業の技術力を、型種別、取引先業種別、専業・兼業別、売上規模別に類型化し、従来の分析視角と異なる金型製造企業の層として技術競争力を把握することに主眼を置いている。 それを踏まえ、平成25年度は、理論と実践の両面において上記の研究の意義を精力的に社会に発信することを心掛けた。一方の理論面においては、雑誌論文1件〔藤川健(2013年8月)「金型産業の構造(3)~取引関係の視点から~」『SPECIA産業レポート』1~42頁〕、学会発表2件〔藤川健(2013年6月)「金型産業における技術力の再検討」『日本中小企業学会西部部会』(兵庫県立大学)、藤川健(2013年9月)「金型産業の技術競争力の再考」『日本中小企業学会第33回全国大会』(名城大学)〕、図書1件〔湯浅良雄、大西正志、崔英靖、藤川健、宇都宮千穂、兼平裕子、米田誠司、佐藤亮子著『地域創生学』晃洋書房78~101頁〕を発表した。 他方の実践面においては、研究成果の一部を愛媛大学内のホームページ上における研究紹介〔藤川健(2013年12月)「日本の金型産業の競争構造に関する研究」『愛媛大学ホームページ「infinity」』〕や、愛媛県内の実務家を対象とした経済雑誌〔藤川健(2014年3月)「日本におけるサポーティング・インダストリーの技術競争力再考」『月刊 愛媛ジャーナル』80~83頁〕へ寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度では、これまで行ってきた株式会社帝国データバンクとの共同研究の成果を援用した定量調査を継続し、基盤産業・産業研究に関する文献調査を進めることを目的としていた。端的に述べれば、平成25年度は、定量調査を中心に行う予定であった。しかしながら、平成25年度は、定量調査を行った1件の雑誌論文以外にも、2件の学会発表や1件の図書で既存の定量調査と定性調査の融合を試みた議論を展開した。そのようなことから、本年度は、当初の計画以上の研究実績を達成することができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の記述を踏まえ、平成25年度は、研究の意義を社会に発信することや、定量調査と定性調査の研究成果を融合したことに大きな特色がある。さらに、研究成果を理論と実践の両面において発信した際には、研究者と実務家から様々な問題点を指摘され、今後の研究に対する有意義な示唆を得ることもできた。したがって、平成26年度は、当初予定していた技術競争力を明示する上で必要となる企業に対する聞き取り調査に加え、指摘された問題点を克服するための新たな企業調査も精力的に行う。そして、金型産業の技術競争力の全体像を提示した成果物を発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、日系金型製造企業を含む自動車関連の企業が多数集積しているタイ王国での海外企業調査を予定していた。しかしながら、調査の予定地の1つであったバンコク周辺地域は、政情不安などの影響により、聞き取り調査を実施するのが困難な状況に陥ってしまった。 平成26年度は、平成25年度に予定していたタイ王国を含め、精力的に中国などのアジア諸国を中心とした海外企業調査を実施する予定である。
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