本研究の目的は、組織間関係の視点からオープン・イノベーションの研究を深化させることであった。具体的対象は中小企業と大企業、リンケージ企業である。中小企業が単独でイノベーションを実現しても組織外部のステークホルダーとの関係が不可欠であること、複数の中小企業が協調戦略パースペクティブを持つことの有効性が明らかとなった。大企業においては、担当役員の推進力が前提となること、自社の強みを明確にすること、専任部署・チームを設けることが肝要であることが明らかとなった。リンケージ企業においては、組織間の情報の非対称性を埋める役割を担うため、幅広いネットワークを保有していることが重要であることが明らかとなった。
|