本研究の目的は、既存研究の乏しいオンライン・コミュニティの組織的側面を理論化することにある。百科事典生産を目的とするオンライン・コミュニティを取り上げ、参加者たちの活動やコミュニケーションを定性的・定量的に分析した。結果、参加者たちが協働を進める上で生じた問題を調整するプロセスやメカニズムが明らかになった。それらのプロセスやメカニズムは、もちろん相違点はあるものの、オフラインの一般的な組織と大きく異なるものではなかった。オンライン・コミュニティ研究のブラックボックスに光をあてることで、一般的な組織論との相違点と類似性も示唆し、オンライン・コミュニティ研究を経営学に位置づける可能性を示された。
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