本研究はクリエイティブ産業の一角を占める日本の音楽産業の定性的、定量的調査から以下の三点を明らかにした。一つ目は、クリエイティブ産業で重要な生産性と新規性という異なる目標の追求に適した企業のアライアンス・ポートフォリオを明らかにした点である。二つ目は、プロジェクトの創造的パフォーマンス向上に適したチーム構成、ネットワーク構造がプロジェクトの進展段階に応じて異なることを明らかにした点である。三つ目は、多様な経験を通じて個人内に形成される「個人内多様性」の次元を「ファンクション多様性」と「ジャンル多様性」に分け、これらがチームの創造的パフォーマンスに与える影響の違いを明らかにした点である。
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