研究課題/領域番号 |
25780250
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
黄 雅ブン 早稲田大学, 商学学術院, その他 (50609914)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 台湾系EMS企業 / 鴻海社 |
研究実績の概要 |
本研究は、台湾系EMS企業を対象に、台湾EMS業界の飛躍的な成長を支えた6社の成長メカニズムを解明する。具体的には、その組織間ネットワークがどのような特性を持っているのか、またどのように能力を構築し、EMS業界の形勢を逆転したのかを明らかにする。 当該年度においての研究計画では、1)先行研究・文献サーベイ、2)事例調査、3)研究途中経過の発表および最先端の研究情報収集を予定していた。その中で、途中計画の発表に関しては、9月に行われたInternational Federation of Scholarly Associations of Management(IFSAM)の2014年世界大会、アジア経営学会第21回全国大会、および10月に行われた多国籍企業学会の東部部会で研究報告をした。 計画していた1)~3)の項目をほぼ計画通りに実施した。当該年度の研究計画における2)事例調査に関しては、現EMS業界1位の鴻海社だけではなく、前年度に実施できなかった研究対象の他の4社を訪問し、ヒアリング調査した。具体的には、台湾系EMS企業およびエレクトロニクス企業を訪問し、研究開発にかかわっているエンジニアにヒアリングをした。そのヒアリング調査を通じて、台湾系EMS企業がブランド企業とサプライヤーとの業務内容、提携関係についてより詳しい知見を得ることができた点は大きな成果となった。 当該年度の研究成果の発信については、論文を1本書き、「アジア経営研究」という学会誌に投稿した。査読時に査読者から貴重なコメントを頂き、さらに学会の報告時にもフロアから多くのコメントを頂いたため、今後の研究成果の質の向上に役立てていくことができる成果が得られたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記、研究実績の概要でも述べた通り、現EMS業界1位の鴻海社および研究対象の他の4社の事例調査とヒアリング調査がおおむね順調におこなわれたことにより、台湾系EMS企業がブランド企業とサプライヤーとの業務内容、提携関係についてより詳しい知見を得ることができた。 ただし、当該年度に予定した1)先行研究・文献サーベイに関しては、研究対象の他の4社の文献収集・分析はまだ十分に実施できていなかったため、それらの文献収集・サーベイは平成27年度に繰り越して実施する予定である。 このことにより、当該年度に予定した計画1)先行研究・文献サーベイ、2)事例調査、3)研究途中経過の発表の項目の中で、1)の先行研究・文献サーベイ以外は予定通りに進んだ。また、当該年度の研究成果を反映し、投稿論文を1本書き、また日本国内外の学会の大会発表で発信したため、おおむね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
該当年度において、次年度への繰越金が291,170円発生している。該当年度では予定していた研究対象の他の5社についての先行研究・文献サーベイが十分に実行できなかった点について研究実績の概要で既に述べているが、繰越金は、それらの企業のデータ収集・整備および企業インタビューに使用する予定である。 今年度の研究費と繰越金を含めて、平成27年度の研究計画・方法として以下を予定している。1)先行研究・文献サーベイ、2)事例のデータ収集・整備と調査(台湾か中国でのヒアリング調査を予定)、3)研究途中経過の発表および最先端の研究情報収集という3つの項目である。研究途中経過の報告に関しては、8月に行われる工業経営研究学会全国大会、9月に行われる経営哲学学会全国大会、および10月に行われるEuro-Asia Management Studies Association (EAMSA、ロンドン)で研究報告を行う予定である。 現地でのデータが、統計分析をするほど豊富に集まっていないため、今年も台湾の国家図書館でのデータ収集に力を入れつつ、ヒアリング調査(定性分析)と、データーベースを活用した調査(定量調査)によって、論理的妥当性を見出しうる有効な分析手法を模索してゆく。とともに、国内外の学会報告と論文執筆を行いながら、査読時と報告時のコメントを有効に活用し、研究の見直しや軌道修正も考えながら行ってゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度への繰越金が291,170円発生している。該当年度では予定していた研究対象の他の5社についての先行研究・文献サーベイが十分に実行できなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
該当年度の繰越金を合わせた次年度の研究費の使用予定項目は、以下の3つに分類することができる。1)先行研究・文献サーベイのための図書、またはEMS企業に関する調査報告書入手、現地国家図書館のデータベースにて検索・収集に使用、2)台湾か中国でのインタビュー調査に使用、3)研究途中経過の発表、10月Euro-Asia Management Studies Association (EAMSA ロンドン)にて報告及び最先端の研究情報収集の予定である。その他では、英語論文のネイティブチェックや資料代となる。
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