従来は、系列に代表される取引構造のなかで、部品加工など限られた工程を担当してきた中小企業にとって、ネットワークを築きながら自社ブランドの完成品を手掛けている企業が増えている事例は、大きなトレンドとして注目に値する。一方で、電子市場を通じた取引機会の拡大を志向する企業も依然として多い。 このような完成品を手掛ける企業と、電子市場による部品加工の多様な受注を志向する企業の2極化現象を踏まえつつ、それぞれの戦略性やビジネスモデル、組織能力の違いについて分析した。このことから、中小企業がオープンイノベーションを志向する際に、自らの組織能力に応じた2つの方向性を示すことができた。
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