本研究は日本企業の国際的な競争優位の源泉としてトランスナショナル化(本社と海外拠点が相互依存の関係であり共同で優位性を構築し共有するようになること)に着目し、既存研究では不十分であった(1)新興国の市場・拠点でのイノベーションの発現、(2)そのグローバルな組織における共有経路・形態、(3)それらが組織全体の競争優位へ及ぼす影響の3つを明らかにすることを目的とした。 目的(1)は企業や販売現場の実態調査を繰り返すことで特定の新興国におけるイノベーションを明らかにすることができた。目的(2)(3)は実態調査に加え、国際経営論を巡るサーベイと学会報告での議論を通じて概ね達成することができた。
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