本研究の目的は、消費者行動研究の視点から脱コモディティ化のためのマーケティング戦略を提示することである。このような研究課題に対して、平成26年度は、1.消費者のカテゴリー化に着目した脱コモディティ化戦略に関する実証研究と、2.消費者の情報処理方略に対する文脈効果に着目した脱コモディティ化戦略に関する実証研究を行った。そこで、平成27年度は、これら実証研究の成果を受けて、3.消費者のブランド知識に着目した脱コモディティ化戦略に関する実証研究を行い、これまでの研究成果をまとめた著書を出版した。 第1、2実証研究の成果を受けて行った第3実証研究においては、前年度の実証研究とは異なり、実験調査ではなく質問票調査を行った。本実証研究では、消費者のブランド知識とコモディティ化の関係性を明らかにすることが研究課題となったため、消費者個人のブランド知識を推定するためにMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法による階層ベイズによるモデル開発を行った。 その研究成果は、国際学会と国内学会にて研究報告を行い、多くの研究者から本研究に対する意見・コメントを頂戴した。また、これまでの研究成果をまとめて「脱コモディティ化のためのマーケティング戦略」に関する著書を出版した。
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