27年度の成果として、愛国意識を含む準拠集団意識と消費行動に関わる、査読付き論文2本の採択と、ブランド消費における消費者を取り巻く第三者(Third Party)の重要性に関する論文の投稿、そして2件の学会報告が挙げられる。 2件の採択論文は、①“Relationship between Clothing Consciousness and Clothing Norms- Consideration on Reference Groupと、②“The consumption of jeans in Japan: An exploratory study”である。これらの研究は国内の消費者行動に関する既存研究ではほとんど議論されてこなかった、準拠集団意識が半耐久財の消費に寄与することを、規範概念を中心に明示した。加えて、その消費において原産国(国産ー輸入)の違い、特に国産意識が消費意図に正に作用していることを明らかにした。 また査読なしの論文として、「ブランド価値構築およびブランド消費における消費者基点のThird Partyの検討」を投稿した。この論文の既存研究における重要性は、消費者行動研究を基盤とし、供給主体でも消費主体でもない第三者(Third Party)の存在が、ブランド消費の意思決定において重要であることを既存研究のレビューから示唆した点である。助成研究おけて本論文に関して特筆すべき点は、愛国消費に基づくブランド消費が、ブランドを取り巻く第三者の存在だけでなく、危機的環境要因やそもそもの消費文化によって規定されることを明示したことである。 更に、昨年度の最終報告として、今年度の第52回消費者行動研究コンファレンス(2016.6月)での発表を行い、その後、9月をめどに論文を投稿を予定している。
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