研究課題
本研究は,意思決定理論における新たなパラダイムである事例ベース意思決定理論の拡張を行い,特にマーケティングで応用することを目的としていた.計画の区分は,(1)手法の理論的妥当性の検証, (2)/(3)調査データ,購買データに基づいた応用可能性の検証,(4)/(5)マーケティングにおける活用方法の検討,自動推薦システムの構築,であり,大きくわけると,1.理論的側面の検証,2.調査・購買データによる実証,3.マーケティングへの応用やシステム構築の3つである.研究業績は,下記の発表および論文投稿である.理論面では,一つ目に,事例ベース意志決定理論などの距離にもとづいた意志決定理論がもつ問題点を指摘した.距離にもとづいた意志決定の場合,製品属性が増加につれて消費者は混乱し,購入確率が等しくなるということを数理的に示した.二つ目に,上記に関連し,商品数の増加からくる混乱とその場合における企業の戦略策定の方法も明らかにした.続いて,実証について述べる.一つは,意志決定に関するウェブ調査を行い,過去の主観的評価を用いた事例ベース意志決定の実証モデルを構築し,それが既存の事例ベース意志決定モデルよりも説明力が高いことを示した.二つ目に,コンジョイント分析による調査をし,事例ベース意志決定を単純化した,過去の同じ商品の購入経験から影響を受けるモデルについて実証している.この影響に加え他者の影響(外部性)をいれた場合,後者の影響が高くなることを示した.三つ目に,事例だけでなく消費者間の類似性が効用や幸福度に関連することを明らかにするため調査と分析を行い実証した.最後に,応用やシステム構築では,消費者が事例ベース意志決定を行うと仮定し,仮に新たな商品を購入した際に,どのような類似性を元に意志決定しているかを自動的に導き出し,推薦に利用できるルールを導くシステムを構築を行い検証した.
researchmapのブログを利用している.
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Journal of Media Economics
巻: 28 ページ: 20-40
10.1080/08997764.2014.997242
AI&Society
巻: 30 ページ: 291-297
10.1007/s00146-014-0546-7
沖縄国際大学経済論集
巻: 9 ページ: 1-19
Frontiers in Artificial Intelligence and Applications
巻: 262 ページ: 112-121
10.3233/978-1-61499-405-3-112
東北都市学会研究年報
巻: 11 ページ: 39-52
CIRJE Discussion Papers
巻: CIRJE-F-940 ページ: 1-22
http://researchmap.jp/kinjo/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/