平成27年度では、両利きの経営(Organizational Ambidexterity)に関するメタアナリシスと両利きの市場学習に関する調査・分析を行った。 両利きの経営に関するメタアナリシスでは、53篇にのぼる論文を基に、両利きの経営が組織のパフォーマンスに及ぼす影響について、検討した。メタアナリシスによる分析の結果、両利きの経営と組織のパフォーマンスの有意な相関関係が支持された。また、両者の関係へ対して、実証研究が行われた国の文化や測定尺度が影響を及ぼしているのかどうか検討した結果、モデレータ効果は確認されなかった。 日本企業を対象とした調査では、上場製造業企業562社を対象として、2段階の調査を実施した。第一回目の調査では、202票の回答を得た。第二回の調査では、205通の調査票を送付し、157票の回答を得た。このように2段階の調査設計を採用することで、コモン・メソッド・バイアスを排除することができた。分析の結果、アドホクラシーな組織文化は両利きの市場学習へプラスの影響を及ぼしており、有機的な組織構造はマイナスの影響を及ぼしていた。また、両利きの市場学習は新製品パフォーマンスに対して、プラスの影響を及ぼしていた。
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