本研究は継続的な契約を結ぶサービスにおいてブランド・スイッチを促進する要因を明らかにすることが主な目的である。 研究期間を通して、本研究では主に携帯電話サービスのブランド・スイッチを研究対象とした。また金銭的なプロモーションを対象として、インセンティブを与えるプロモーションとスイッチング・コストを下げるプロモーションを比較する実証研究を中心に研究を行った。 今年度の研究では、スイッチング・コストが複数で0円である場合と1つのスイッチング・コストが0円である場合の比較を主に行った。これまでの結果からスイッチング・コストを低下させるプロモーションがインセンティブを与えるよりも効果がある傾向であることが明らかになった。とりわけ、スイッチング・コストが0となる場合において顕著に効果が大きい傾向が強いかったため、0円の効果について掘り下げることとした。加えて、これまでの研究では提示するプロモーションは1つないし2つのみであった。しかしより複雑かつ現実的な課題設定として、より多くのプロモーション、とりわけスイッチング・コストがより多い場合について検証することとした。 研究は2016年1月にインターネット調査によって実施した。特定の電話機を所有している人に対して、プロモーションの種類(インセンティブとスイッチング・コスト削減の2パターン)とプロモーションの数(1つまたは2つ)の4パターンのプロモーションを作成し合計600名に対して調査を行った。調査の結果、複数よりも1つの方がより効果が大きい傾向が見られたがさらにパターンを増やすなど掘り下げて研究を行う必要もあると考えられる結果であった。今後この研究成果は投稿する予定である。
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