研究課題/領域番号 |
25780295
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
東田 明 名城大学, 経営学部, 准教授 (50434866)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サステナビリティ・マネジメント・コントロール / 目標設定 / ステイクホルダー |
研究実績の概要 |
クリーナープロダクションを支援する環境管理会計システムについて考察するために,本研究ではマネジメント・コントロール・システムの枠組みを援用して考察してきた。そこで分析対象のひとつとしたのが,目標設定である。クリーナープロダクションを考えるうえで重要視される目標のひとつは温室効果ガス削減であろう。温室効果ガス削減の目標設定において,物量単位の指標と貨幣単位の指標,また絶対値目標か相対値目標かなど,目標に使われる指標に多様性がある。また,目標の達成の程度が後に業績評価に反映されるため,目標値のレベルが重要であるが,科学的根拠に基づく野心的な目標を設定している企業は先行研究によると少ない。こうした目標設定の多様性に関する影響要因は明らかになっていない。 インタビューによると,温室効果ガス削減目標を環境目標として国や業界の削減目標を参考に作成している企業ばかりではない。環境経営の評価が高い企業でもエネルギー費削減の観点から目標を設定している企業が見られる。こうした企業では目標値も金額で設定される。こうすることで,製造現場に理解がされやすいという。つまり,環境目標を経済的視点に翻訳することで社内に受け入れられやすくしている。 上記の目標設定とも関わってサステナビリティ・マネジメント・コントロールについて考えるうえで重要な影響を持つのがステイクホルダーである。特に環境を含むサステナビリティ課題については影響するステイクホルダーが多く,彼らの要求も時代と共に変化するため,ステイクホルダーからの要求をどのように戦略や目標設定に反映させ,それを実現するためのマネジメント・コントロール・システムを構築するかが重要な課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
企業へのインタビュー調査が順調ではない。調査フレームは固まっているので,今後精力的にインタビューを行う。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は夏頃までにインタビューの数を増やし,それ以降は研究のとりまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
大きな要因は2つである。ひとつは当初予定していたアンケート調査が実施できていないこと,もうひとつは当該年度に予定していた海外学会報告を取りやめたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケート調査については対象企業を当初の予定より絞り込んで実施する計画である。これに伴ってアンケート調査よりも企業のインタビュー調査に重点を移し,インタビュー調査の数を増やす。海外学会報告は最終年度1回を予定していたが,2回実施することを計画している。
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