研究課題/領域番号 |
25780306
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
聶 海松 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10626716)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 華僑 / 華人 / ベトナム / ラオス / 国際人口移動 |
研究実績の概要 |
中国は世界に華僑・華人を約4,000万人近くも進出させてきた歴史があり、世界の人口流動化にもっとも大きな影響を与えているという観点から、中国人のグローバルな人口流動の要因解析は、世界の人口問題を研究する上で、社会的に重要な意義を持つ。 中国雲南省と国境を接することからミャンマー、さらにはラオス、タイ、ベトナム、カンボジアとメコン河の運輸交通の拡大から、国境をこえた人と物の移動がインドシナ半島で日に日に巨大化している。 メコン川流域における人口流動化は、中国の人口問題が周辺の複数国家に多極的な影響を及ぼした、重要なフィールドケースである。本研究では、中国の主要な研究機関とのネットワークに加え、本学独自のメコン川流域におけるネットワークを活用し、要因である中国側と、影響を受けた側であるメコン川流域諸国という、多角的観点から調査・解析を実施した。具体的に、本調査は次の2段階に分けて行った。第1段階では、中国の華僑・華人の大量流出地である福建省永定県に現地調査を行った。なお、調査協力者としては、福建省永定県は県政府および福建省から留学中の黄衛鋒(現・本学博士課程在籍)である。第2段階では、中国の雲南省からベトナム、ラオスへの現地調査、現地の華僑・華人を対象者としてインタビュー調査を行った。なお、調査協力者としては、ラオス国立大学である。 また、日本については、一人っ子政策後に生まれた中国人の留学生、就学生、研修生の流入問題の実態と意識調査を行い、日本の社会および今後の日中関係にどのような影響を与えられるかが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度では、ラオス国立大学のを協力を得ながら、ラオス、ベトナムへの現地調査、現地の華僑・華人を対象者として国際移動した経緯や現在のの生活実態等にについてインタビュー調査を行った。それに加え、予想以外の現地の華人の新たな経済活動状況を把握することができたため、順調に進展していることに間違いない。
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今後の研究の推進方策 |
中国との国境付近の人口減少化の続く沿海州を中心に、商売上手の中国人が急増していることから、平成27年度では、中ソ間の国際人口移動の実態と移動者(華僑・華人)へのインタビュー調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の調査に予算を回すためである。
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次年度使用額の使用計画 |
現地調査の謝金に使用する予定である。
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