研究課題/領域番号 |
25780308
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
山口 博史 都留文科大学, その他部局等, 准教授 (70572270)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ライフヒストリー / ベルギー / 逆都市化 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、研究課題にかかわる文献や資料の継続的検討を行なった。またフィールドワークに重きを置いて研究を進めた。さらに研究手法にかんする研究会を定期的に実施し、他の研究者たちとそれぞれのフィールド経験を共有し今後行なっていく分析の精緻化につとめた。 今年度の調査ではライフヒストリーにかんする聞き取りや都市間比較の観点からブリュッセルという都市の特性を浮き彫りにするためのフィールドワークに従事した。ブリュッセル周辺地域住民に対するライフヒストリーの聞き取りでは、すでにラポールを確立したインフォーマントから非常に深く話を聞く機会をえられた。また新しいインフォーマントからも積極的に聞き取りを行ない、研究をさらにすすめることが可能な語りをえた。 これまでえられたライフヒストリーの語りの背景にある都市構造にかんしては、聞き取りの分析とともに資料や文献の調査をすすめ、進展がえられた。同時にライフヒストリーにかんするインタビューで得られた語りを都市構造やベルギーの社会構造の面から解釈しなおすことで、新しい研究課題にかんする着想がえられた。今後、この面からもライフヒストリーにかんする研究を進めていきたいものと考えている。 研究成果について、いくつかの媒体や学会・研究会で報告したことに加え、市民向けの公開講座でも最新の知見を親しみやすく紹介する機会を与えられた。ベルギーの特殊事情とそこで生きる人々のライフヒストリーにかんしては聴衆となった一般市民の関心は高く、研究で得られた知見とともに研究背景にも関心が寄せられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度前半に、事情により研究やフィールドワークへの取り組みが極度に困難な時期があったため。平成26年度に所属機関を移り、引っ越し直前の時期に予定していたフィールドワークを行なえなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度末に起こった事件でベルギー社会が騒然となっているため、現地の状況を見極めながら慎重にフィールドワークに取り組む。また文献調査によって語りをとらえなおすことや成果報告にいっそう積極的に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年と26年の調査計画に変更が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
現地の状況を注視しつつ、今年度、調査研究および成果報告を進めていく過程で科学研究費を有効に活用していく計画である。
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