研究課題/領域番号 |
25780314
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
内田 龍史 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 講師 (60515394)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 差別・排除 / アイデンティティ / マイノリティ / 社会運動 / 社会学 |
研究概要 |
本研究の目的は、「日本社会」におけるマイノリティの社会的アイデンティティが顕在したうえで、マジョリティとの結合的な集団間関係がいかにして形成されうるのかを、部落問題を事例として検証することである。現代「日本社会」におけるマイノリティの付置構造を把握すると同時に、その社会的アイデンティティが「承認」され、マジョリティとの結合的な集団間関係が形成されるための条件を探究している。 具体的には、①「部落民」アイデンティティ獲得-継承のプロセス研究、②「部落民」アイデンティティが顕在化する条件研究、③「部落民」への部落外マジョリティの対応研究の3つを実施しているが、平成25年度はおもに①と②を進めることができた。 ①については、以前に「部落民」アイデンティティを顕在化している千葉県の被差別部落の若者へのインタビューを実施していたが、その母親・祖母にもインタビューを実施し、若者がアイデンティティを顕在させるための経過について、より詳細に聞き取ることができた。世代間生活史法により、今後は分析を深めていくことになる。また、同様に、東京・三重の若者へのインタビューを以前に実施していたが、年度内に彼/彼女らの関係者にアポをとることができた。平成26年度にインタビューを実施する予定である。 ②については、部落解放運動、同和対策事業、学校教育、地域特性について、その歴史的な経過を明らかにするために、全国レベルのみならず、千葉・東京といった各地域の部落関係の文献を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度中に生活史インタビュー調査を複数実施する予定であったが、結果的には2名に留まった。平成26年度にはより多くのインタビューを実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
①「部落民」アイデンティティ獲得-継承のプロセス研究については、大阪・奈良・滋賀・兵庫と対象範囲を拡大し、生活史インタビューを重ねて行く予定である。 ②「部落民」アイデンティティが顕在化する条件研究、③「部落民」への部落外マジョリティの対応研究についても当該地域の部落問題に関連する資料の収集を進め、分析を深めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
生活史インタビューの実施件数が少なかったために、旅費・謝金等の支出額が予定よりも下回ったため。 年間10名程度のインタビュー調査、ならびに現地調査を実施するため、主に旅費、インタビューに関する文字おこしにかかる謝金等に支出する予定である。
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