研究課題/領域番号 |
25780315
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
林 雄亮 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 講師 (30533781)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会階層 / ライフコース / 結婚 / 家族 |
研究概要 |
初年度である平成25年度は、第1に、本研究課題の体制づくりを行った。本研究専用のパソコンや文房具の整備、文献の入手等であり、これらはおおむね8月末までに完了できた。 当初の予定では、既存の調査データの計量分析に加え、性行動と性意識の階層的不平等を解明するための独自の社会調査を実施することとしていたが、調査環境の問題から次年度に繰り越し、平成25年度は二次分析に専念することとした。申請の段階から、この繰り越しの可能性については想定していたため、これに関して問題は特に生じていない。 この間の研究業績は、査読付き国際学会報告1件、図書の分担執筆2件、査読付き論文1件、学会誌の依頼記事1件である。これらの業績は、大きく「青少年の性行動調査」研究によるものと、社会階層と離婚行動に関する研究による成果である。 前者では、時系列分析の結果から近年において、男女ともに性的関心が低下しているにもかかわらず性行動は活発化していること、高校生段階における性行動の進行が著しいことが明らかになった。さらに青少年の性の二極化が生じており、特に女子における「性的関心なし・性交経験あり」というグループの量的拡大は著しく、さらにこのグループは性に対する否定的なイメージが強く、性知識も他のグループに比べて乏しいことが明らかになった。 後者については、第1により最近のコーホートにおいて離婚は低い学歴階層で発生しやすいこと、第2に夫が高い収入を得ている夫婦ほど、夫と妻それぞれの結婚満足度が高く、夫の収入の上昇は妻の結婚満足度を高めること、第3に、夫婦の合計収入に占める妻の収入比率が20%台である夫婦は、妻の収入比率がより低いグループだけでなく、より高いグループと比較しても妻の満足度が低い、ということが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
性行動と性意識の階層的不平等を解明するための独自の社会調査を実施する予定だったが、調査環境の問題から次年度に繰り越すこととした。この調査については平成26年度にすでに実施することが決まっている。平成25年度に調査を実施しなかったため、それにかかる時間、労力を二次分析に充て、数点の研究業績をあげることができたため、研究課題全体のスケジュールからみれば、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策として、平成26年度は社会調査の実施に多くの時間と労力を割き、平成27年度に研究課題の総括を行う。平成26年度より所属が変更になったが、これに伴う研究活動の遅延は起こっていないため、当初の予定通りに研究が進んでいくようスケジュールを調整する。
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