研究課題/領域番号 |
25780323
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹内 里欧 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40566395)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 文明化 / ナショナリズム / 近代化 |
研究実績の概要 |
本研究では、「ナショナリズムと『文明的』自己像形成をめぐる現象」というテーマについて、比較・歴史社会学的考察を行うことを目的に研究活動を行った。特に、近現代日本社会におけるナショナリズムやアイデンティティのあり方の歴史的・文化的特徴を、『文明化』を象徴する理想的な自己像形成にまつわる現象を研究することにより、比較社会学的視点を含みつつ明らかにすることを目的とした。 本年は、産前産後の休暇及び育児休業の取得により、2014年9月末まで研究を中断していたため、研究期間が半年間ほどしかとれなかったが、その中で、資料収集・分析・論文執筆(現在執筆継続中)などに取り組んだ。体調不良のため出張を行うことが難しかったため、大学の図書館の相互利用制度を利用するなどして、資料収集につとめた。第2年目である本年の主な研究内容は、「文明化」とナショナリズムの関係にかんする資料収集・精読、フィンランド教育にかんする言説分析、および、オリエンタリズムにかんする理論的検討である。資料収集・精読については、エリアス、サイード、アンダーソンなどの、文明化とナショナリズムにかんする理論について精読した。また、フィンランド教育にかんする言説分析については、現在、資料の収集・精読をおえ、論文案を研究会において発表した。発表時にいただいたコメントをもとに論文を修正・執筆中である。論文では、フィンランド教育にかんする言説を、ナショナリズム、近代化、文明化、教育観の変化などの観点から検討している。オリエンタリズムにかんする理論的検討については、近年のオリエンタリズムやナショナリズムに関する議論の検討をふまえ、2015年5月の研究会で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
半年間という期間であったが、その中で、資料収集・分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、「ナショナリズムと『文明的』自己像形成をめぐる現象」というテーマについて、比較・歴史社会学的考察を行うことを目的とする。本年は、第2年目にあたるが、産前産後の休暇及び育児休業の取得により、2014年10月から研究活動を再開したため、実質的に半年間の研究活動となった。そのため、今後は、第2年目に行う予定であったが不足のあった作業や、第3年目に行う予定の作業も行っていく。第2年目に不足のあった作業としては、体調不良のため、出張を当初の計画通り遂行することが困難であったことから、特に、研究会・学会への参加を十分に行うことが難しかった。これにかんしては、2015年春の関西社会学会(於日本)、人種研究会、ジェンダー研究会、現代社会学研究会等、学会・研究会等に参加し勉強の機会を多くし、自身の研究にフィードバックしていきたい。また、国立国会図書館、国際日本文化研究センター、国立民族学博物館、日本近代文学館等へ赴き、資料の不足を補う。そして、現在、執筆途中の論文(フィンランド教育にかんする言説分析、オリエンタリズムにかんする理論的検討)を、研究会報告でのコメントをふまえ、完成稿に近づけていく。また、ユバスキュラ大学社会哲学研究所P. コルホネン教授(国際政治学、比較政治学)等、内外の研究者から研究全体についてコメントをいただき、コメントをもとに、本研究の成果報告書(第1稿)を執筆することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年は、産前産後の休暇及び育児休業の取得により、2014年9月末まで研究を中断していたため、研究期間が半年間ほどしかとれなかったため、また、体調不良により出張を当初の予定どおり行えなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、体調不良のため、出張を当初の計画通り遂行することが困難であったことから、特に、研究会・学会への参加、資料収集を十分に行うことが難しかった。これにかんして、次年度は、関西社会学会、人種研究会、ジェンダー研究会等、学会・研究会等に参加し勉強の機会を多くし、自身の研究にフィードバックしていきたい。また、国立国会図書館、国際日本文化研究センター、日本近代文学館等へ赴き、資料の不足を補う。
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