本研究では、「ナショナリズムと『文明的』自己像形成をめぐる現象」というテーマについて、社会学的考察を行った。特に、これまでの研究をふまえ、近現代日本社会におけるナショナリズムやアイデンティティのあり方の歴史的・文化的特徴を、「文明化」を象徴する理想的な自己像形成にまつわる現象を研究することにより、比較社会学的視点を含みつつ明らかにすることが目的であった。E. W.サイードのオリエンタリズム概念にかんする理論的検討、「文明化」とナショナリズムにかんする具体的現象についての社会学的検討、その他、社会学理論や社会学的研究にかんする検討の3つが主たる研究成果である。
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