身体技法の習得プロセスは、流派や道場のような文化的集団における、理性や言葉とは無関係の身体的な学習としてイメージされやすい。このイメージは、ブルデューの社会学理論でも反復されている。本研究は、中国河南省新郷市および英国マンチェスターに所在する太極拳教室の継続的な調査を通して、こうしたイメージを刷新した。参与観察・インタビュー・練習場面のビデオ撮影などの手法を用いて、太極拳は武術および養生術としての普遍的な有効性ゆえに文化的集団を超えて伝播すること、そして、この有効性が知覚されるためには、身振りや言葉で形成された相互身体的な結びつきが不可欠であることを示した。
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