研究課題/領域番号 |
25780333
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
木村 直子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (80448349)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子どものウェルビーイング / 子どものウェルビーイング尺度 / 子どものウェルビーイング尺度(乳幼児版) / 地域の協働 / 子育て支援 / 保護者支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、乳幼児期の子どもの育ちを支える環境すべてに共有できる、育ちに関する目標や理念を整理・分類したデータベースの構築を目的としていた。また養育者及び職種の異なる専門職(教諭・保育士・施設保育士・保健師・子育て支援スタッフ)が子どもたちへの支援の理念を共有するために、乳幼児期の子どもの育ちの特性から、支援の基準や目標となるような枠組みを作成することが目的であった。
今年度は、第一にこれまでに整理してきた国内外の乳幼児期の子どもの育ちを支える理念や目標、カリキュラム等の実践事例についての研究レビューを含む情報収集をもとに、子どものウェルビーイングの理念や目標を整理した。第二に、乳幼児期の子どもを育てる保護者へのアンケートや私立幼稚園を対象とした調査を実施し、乳幼児期の保護者の考える子どもの育ちと保育機関の考える子どもの育ちの相違について明らかにした。第三に、0歳ー2歳児の子どもの保育現場における記録をもとにした質的研究から、乳児期の子どもにとってのウェルビーイングにおいて、ウェルビーイングの構成概念の中に、主体的な存在としての意義を含む必要があることが実証された。これら文献研究及びアンケート調査、昨年度のヒアリング調査等を踏まえ、乳幼児期の子どものウェルビーイングの定義及び構成概念からの操作化を試み、乳幼児版の子どものウェルビーイング尺度(21項目)を作成した。
さらに、今年度も0歳から3歳までの乳幼児とその保護者を対象としたグループワークを1年間実践した。その中で乳幼児期の子どもの遊びや生活に関するデータを蓄積すると同時に、保護者へのアンケート結果から、乳幼児期の子どもとその保護者への支援を行う中で必要な支援のあり方についても、検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、乳幼児版の子どものウェルビーイング尺度の項目を設定するところまでは進んだが、尺度としての精選をする大型の調査を実施する予定であったが、実施することができなかった。次年度実施することが決まっており、調査票の準備をしている。調査実施によって尺度を確定すると同時に、実証研究としての一定の結果とともに報告できるため、(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の課題は、以下の3点である。 第一に、乳幼児版の子どものウェルビーイング尺度を確定する 第二に、子どものウェルビーイングを規定する家族等の要因について明らかにする。 第三に、第一及び第二の結果をもとに、養育者及び職種の異なる専門職が子どもたちへの支援の理念を共有するために、乳幼児期の子どもの育ちの特性から、支援の基準や目標となるような枠組みを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施予定であった調査を遂行できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査を遂行することによって、当初の計画通り使用する予定である。
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