国内外での実地調査、北海道内で継続した調査の結果、資源が限られる過疎地域における「協セクター」の形成については、市民団体やNPO法人だけでなく、町内会などの住民組織や既存の資源も含めて検討する必要があることがわかった。特に北海道のような広域地域は、住民に身近な小地域での活動が重要となる。 地域リーダーの存在は、「協セクター」の形成と持続に関係している。しかし他にも要因はある。今回の研究においては、災害や立ち退き、事業の撤退等によって住民の結束力が高まり、「協セクター」の形成につながることも明らかになった。今後の課題として、地域包括支援体制のための福祉専門職の役割について検討が必要である。
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